私が体験した脳出血の症状とその前兆

私は38歳のある日の夜、突然、脳出血という大きな病に見舞われました。その時の症状などについて、皆さんの参考になるかも知れないので記録しておきます。
まず、症状というか、体の異変に気づいたのは、足下のふらつきでした。夜に絨毯の上でうたた寝をしていてふと目が覚め「ベッドで寝なきゃ」と思い、立ち上がろうとしたときに、なんだか足元がおぼつかなく、ふらふらとして部屋の壁に激突しました。私はそれまで、立ちくらみなどは経験したことはなく、なんだろう?と不思議に思い、そのままトイレに行こうとしましたが、やはり足元がふらつき、何度も老化の壁にぶち当たりました。

何とか小便を済ませ、部屋に戻りパジャマに着替えようとしたとき、自分の体がただ事ではないことに気づきました。左手が思うように動かず、パジャマに腕を通すことができないのです!できないと言うより、どうやれば袖口に左手を近づけ、穴に腕を通せるのかという「腕を動かす司令の出し方」が分かってない状況でした。

同居する親に症状を話すと「たぶん脳卒中だ!」と大騒ぎになりました。どうやら私の顔の表情もおかしかったらしく、顔面も左側が若干麻痺していたようなのです。あわてて救急車を呼ぶことになりました。

しかし不思議なことに、頭に痛みなどは全くなく、足がふらついたり、左手が動かないこと以外には前兆らしきものは感じられず、自分の脳がおかしいという自覚症状が全くありませんでした。

救急車が来て、その中で血圧を計ったところ、上は180を越えており、やはり異常な状態であることが分かりました。救急車の中で搬送先の病院を探すべく、救急隊員が症状を電話で伝えていましたが、病院の医師からは「脳出血の可能性が高い」と即答されました。病院へ到着し、即CTスキャンで脳を撮影すると、やはり私の脳の右側で大きな白い陰が移っており、ふらつきや左手が動かない原因が脳出血であることが明白になりました。私は即、入院することになり、集中治療室に入れられました。

以上、前兆が現れてから、入院した後まで私の意識はずっとはっきりしており、頭に痛みもありませんでした。ただ左手や足が思うように動かず、あと入院後はしばらく吐き気が続いていました。

これが私が脳出血を発症した前後の症状の全てです。私の脳出血は幸い軽傷な部類で、手術は行わず、血圧を下げる薬を飲んで安静にしているだけで、自然治癒に任せるという治療法が取られました。結果、2週間ほどで脳出血は綺麗に消え、退院する事ができました。