私が病院で受けた脳出血の治療


私の場合、幸いにも救急車で病院に運ばれた直後のCT検査の出血状況が比較的軽傷だったようで、手術は行わずに済みました(脳出血のCT及びMRI画像)。脳出血は頭蓋骨の中の出血なので、重傷の場合には開頭手術が必要になります。

私は3日ほど集中治療室に入れられましたが、これといって特別な治療は行われませんでした。点滴を受けて血圧を下げる薬を飲むだけで、後はベッドに寝て安静にしているだけでした。脳出血も軽症であれば、自然に出血が体に吸収されて治癒するようです。腕や足などを打撲して内出血で青く晴れ上がっても、そのうち腫れが収まりますが、それと同じように、脳の中でも、人体の自然治癒力が働いて、血が引くのだそうです。
但し、血圧のコントロールだけは厳格に行われました。寝ている間も腕に血圧計が常時つけられたままで、定時に自動で血圧が測られ続けていました。私は救急車で病院に運ばれたときには、血圧の上が180を、下も120越えていました。搬送中はかなり精神的に動揺していたので血圧が上がっていた可能性もありますが、それにしても高い値です。脳の血管が切れている状態でこの血圧は相当まずいです。私が集中治療室から一般病室に移ったのは、血圧の上が150前後まで落ち着いてからでした。一般病室に移ってからは、常時はめられていた腕の血圧計も、また点滴も外され、一日一回、朝食後に血圧を下げる薬を飲むだけで、あとはひたすら己の自然治癒力に任せるだけの入院生活でした(⇒脳出血の治療薬)。

私は差額ベッド代を払って個室に入ったので、テレビはついていましたが、特にやることもなく、たまに理学療法士が来てリハビリする以外は、きわめて退屈な入院生活でした。とはいえ、症状が悪ければ頭蓋骨を切開して手術する必要があったわけですから、私は脳出血としては極めて軽傷だったわけで、文句を言ったら罰が当たるでしょう。

脳出血の治療で手術が必要かどうかは、病状が深刻か否かで決まるようです。そして脳出血が軽傷ですむためにはとにかく、早期発見が重要です。血管が切れていることに気づかず、体を動かし続けていれば、血圧が上がって出血量が更に増えて重傷化する危険性が高いのです。体の感覚が普段と違う前兆を感じたら、とにかくすぐに救急車を呼ぶべきなのです(⇒突然手が動かない時の対処法)。

私は、最近では救急車を病院への交通手段がわりに呼びつける悪質な高齢者(日本では救急車を利用するのが無料だから)等も居ることを知っていましたし、意識がしっかりしているような人間が救急車を呼ぶべきではないと思っていました。ですが私は医者にも、搬送中の救急車の隊員にも「とにかく体の異変があったらすぐに救急車を呼びなさい!」とくぎをさされ、考えを改めました。特に脳出血のような脳の障害は、一刻も早く治療を開始しないと重篤化する危険性が高いので、要注意です。